ハムスターの可愛いおしりをより可愛くするちょこんと付いたしっぽ。ハムスターの魅力を膨らませている要素の一つかも知れませんね。
「ネズミとは違って短いし、何か役に立っているのかな?」なんて思っている飼い主の方もいるかもしれませんが、ハムちゃんのしっぽにもしっかり役割はありますよ。
では、そんなハムスターのしっぽがどんな役割を果たしているのか、しっぽからどんな病気のサインが読み取れるかなど、今回はハムちゃんのしっぽに関する情報をお伝えしたいと思います。
目次
ハムスターのしっぽの役割とは
ハムスターのしっぽは短くて可愛いですが、短いがゆえにあまり役割が無さそう、なんて印象を持ってしまいますよね。でも、そんな短いしっぽにもしっかり役割はあります。
他のネズミ類は高い場所を移動するなどのために長いしっぽになっていますが、ハムスターのしっぽも同様にバランスをとるための役割をしています。
飼っているハムちゃんが外に出してほしいときなど、二本の後ろ足で立ったりすることありますよね?
とても可愛い仕草ですが、そんなときも実はしっぽでバランスをとり、足としっぽの三点で支えて立っているんですよ。短いですが、しっかりと役割を果たしています。
しっぽが短い理由
では、なぜハムスターもネズミの一種なのにしっぽが短いのかというと、他のネズミとの生活環境の違いが影響しています。
しっぽの長いネズミは、高い所に上ったり、足元の悪い場所を移動したりする時にバランスをとるために、しっぽを使っています。高い場所に上ることなどが多いので、長いしっぽが必須なのです。
しかしハムスターの生活環境は地上中心です。高い場所に上ったり下りたりするよりも地上を移動することが多い生き物なので、長いしっぽを必要としなくなり、しっぽが退化したと言われています。
現在の生活環境に適応して、短いしっぽになったんですね。
しっぽが伸びたように見える原因
ハムちゃんを飼っていて、その短いしっぽが「なんだか伸びた?」と感じることもあるかもしれません。しかし、ハムスターのしっぽだけがぐんぐん伸びるようなことはありません。
ではなぜ伸びたように見えるのか、次のような理由が考えられます。
成長と一緒にしっぽも大きくなる
ハムスターも成長すると、もちろん一緒にしっぽも成長します。
特別大きくなることはないと思いますが、子供の体から大人の体へと成長したときに、しっぽの成長の方が目立って、なんだかしっぽが伸びたように感じることもあるでしょう。
しっぽの成長で目立ちやすくなる
しっぽが成長すると、少し伸びたように感じることもあるかもしれません。特にゴールデンハムスターは、しっぽが毛に覆われていないので、しっぽの成長の印象が強くなることもあるでしょう。
毛に隠れて見えづらかったため
ハムスターは成長や季節の変化と共に、毛の量も変化します。
その過程で、しっぽ周りの毛が薄くなった時、今まで見えづらかったしっぽがより見えるようになり、しっぽが目立ったように感じることもあるかもしれません。
しっぽが伸びたように見えやすいハムスターの種類
ジャンガリアンやゴールデンはしっぽの長さが大体1㎝ほどです。しかしチャイニーズハムスターはしっぽの長さが2~3㎝と、体の大きさからして長めです。
これは上記に説明した理由に当てはまるのですが、チャイニーズハムスターはハムスターの中でも上下運動が多いため、しっぽでバランスをとるために長めになっていると言われています。
そのため、成長と共にしっぽも伸びていく際、より伸びたように感じることがあるのかもしれませんね。
しっぽがピンと立っているのはどんな時?
飼っているハムちゃんがお散歩中などに突然止まり、しっぽをピンと立てているところに遭遇したことがある方もいると思います。
これは、メスのハムスターに見られる、メス特有の発情サインです。「ロードシス」と呼ばれていて、発情したメスのハムスターが交尾可能な体勢をとっているのです。
オスと触れ合うとこの体勢になるのですが、発情期に何か刺激があっても、この状態になることがあります。
この時期にオスのハムちゃんとお見合いさせれば、上手く新しい命を授かることができるかもしれないですね。
ハムスターのしっぽに関わる病気のサイン
ここまでハムスターのしっぽの役割などを見てきましたが、今度はしっぽに関連した病気についてご説明します。
命に関わる重大な病気もありますので、しっかりと見ていきましょう。
しっぽが濡れている(ウェットテイル)
飼っているハムちゃんのしっぽやお尻が濡れていたら、それはとても危険なサインです。
ウェットテイルと言って、その名の通り濡れているしっぽが目印なのですが、つまりしっぽが濡れるまで下痢をしているということです。
小さいハムスターにとって下痢は命取りで、放置すると数日で天国に行ってしまうこともあるかもしれません。
ウェットテイルを見つけたら、もちろんすぐに動物病院に連れて行く必要があります。
ウェットテイルを特に注意すべきハムスターの種類
ウェットテイルについては、ゴールデンハムスターや長毛種の場合に特に発病する可能性が高いと言われています。
さらに、子供のハムスターやペットショップなどからお迎えしたばかりの子には、注意を払いましょう。
しっぽが赤くなったり血が出たりしている
ハムちゃんのしっぽが赤くなったり血が出たりしているような時は、ストレスにより自分で傷つけてしまっているか、どこかに挟むなどして傷がついた可能性が高いです。
自分で傷つけた場合はストレスが多い可能性もありますし、ケージ内で怪我をしている場合なども飼育環境を見直す必要がありますね。
また、皮膚もただれたりしている場合はアレルギー性皮膚炎の可能性があります。床材の交換のタイミングが遅すぎたり、または新しい床材に一新したときにも表れることがあります。
この場合も、飼育環境を今一度考えなおす必要があるでしょう。
ハムスターの病気は見つけづらいもの
ハムスターは外敵に狙われにくくするため、弱っていてもその様子を外に出さないようにする生き物です。
そのため、病気になっていてもあまり変化に気付けないこともあるかもしれません。なので、しっぽも含め、日ごろからハムちゃんを注意深く観察して、病気などの異変には気付いてあげてくださいね。
まとめ
ハムスターのしっぽの役割や関連する病気などについてお伝えしてきました。
短いしっぽにも役割があったなんて、びっくりした方もいるかもしれません。ウェットテイル(下痢)はハムスターにとって危険な状態なので、見つけたらすぐさま病院に連れていきましょう。
これからも可愛いハムちゃんのおしりとしっぽを愛でながら、変化にも注意して、癒しのハムスターライフを過ごしてくださいね。