体重は健康を管理する上で、気にするべきバロメーターの一つです。痩せすぎ、太りすぎは思わぬ病気を招くことも。
そしてそれは、ペットとして飼われているハムスターにも同じことが言えます。
ハムスターの健康管理のためにも、適正な体重を保ってあげたいところですが、どこからが痩せすぎ、太りすぎのボーダーラインなのか、「わからない!」という人もいるかも知れませんね。
そこで今回は、ハムスターの種類別平均体重や、体重の測り方・管理法など、気になることを詳しくまとめました!
ぜひハムスターの健康管理に役立てて下さいね。
目次
ハムスターの種類別平均体重まとめ!
小さくてかわいいハムスターですが、その種類によって平均体重は大きく変わってきます。
ここでは、ハムスターの種類別に平均体重をまとめてみました。
ゴールデンハムスター
ハムスターの中でも特に人気も高く、大型に分類されるハムスターです。
その平均体重は、オスで80~130g、メスで90~150gとなっています。
また、オスでは150g以上、メスでは170g以上であれば、肥満である可能性があります。
ジャンガリアンハムスター
小型で人懐っこいハムスターであるジャンガリアン。
こちらもとても人気の高いハムスターです。
ゴールデンよりも小柄なジャンガリアンでは、オスの平均体重が35~45g、メスが30~40gとなっています。
上限値のプラス15g程度になっていれば、肥満の可能性があります。
ロボロフスキーハムスター
ジャンガリアンよりも小柄なハムスターです。
観賞用の小さなハムスターで、あまり人慣れしません。
平均体重は、オスメスともに15~30g程度となっています。
また、45~50gにもなると肥満の可能性があります。
チャイニーズハムスター
近年人気の高まってきているハムスターです。
少ししっぽが長く、外見はネズミに近いのですが、人懐っこく飼いやすいという特徴があります。
体格はジャンガリアンとさほど変わりません。
平均体重はオスで35~40g、メスでは30~35g程度となっています。
また、オスは70g以上、メスは65g以上になると肥満の可能性があります。
その他のハムスター
上記以外にも人気の種類として、「キンクマハムスター」や「キャンベルハムスター」などがいます。
キンクマはゴールデンから派生したハムスターなので、平均体重、肥満体重も同程度と考えて大丈夫です。
また、キャンベルハムスターはジャンガリアンと見た目体格もほとんど同じです。
そのため、ジャンガリアンハムスターの平均体重と肥満体重を参考にしてください。
ハムスターの肥満と痩せのボーダーラインの考え方とは?
上記でまとめた平均体重は、あくまでも目安です。
平均体重を超えているからと言って、必ずしも肥満ということではありません。
体重以外にも見た目や健康状態、食事内容や運動量など、色々な観点から考えて「肥満」と判断する必要があります。
しかし、平均体重の下限値を下回るようであれば、「痩せ」の可能性は考えなければいけません。
痩せすぎの場合、病気の可能性以外にも、食事が合っていない、水分が上手く摂取できていない、といったことが考えられます。
そういった状況を把握するためにも、体重を計測することは大事なんですね。
ハムスターの体重測定のコツ!体重計や測り方などを解説!
いざ「ハムスターの体重を測ってみよう!」と思っても、どんな秤を使えばいいのか、どのようにすれば上手に測れるのか、わからない!という人もいることでしょう。
ここではハムスターの体重測定のコツを紹介しています。ぜひ参考にしてみて下さいね。
ハムスターの体重計を選ぶポイント
ハムスターはとても小さいので、人間用の体重計を利用して体重を測定することはできませんよね。
そこでぜひ購入して頂きたいのが、調理用の秤、「キッチンスケール」です。
小さなハムスターでは、1gの体重の増減でも気になるところです。
そのため、できれば0.1g単位まで表示がされるものが好ましいです。
また、体重の測定に長時間費やすことは、ストレスを与えないためにも避けたいところ。
デジタル表示の秤であれば、読み取りも素早くでき、楽かも知れませんね。
あると便利!箱を使った体重測定の方法
秤の上をハムスターが動き回っていては、正確な体重が測定できませんね。
そこで用意してもらいたいのは、ハムスターよりも一回り程度大きめの箱(容器)です。
箱にハムスターを誘導し、入れた状態のまま秤で体重を測ります。
測定が完了したら、箱の重さを測って引けば、ハムスターの体重が分かりますね。
できれば透明の箱を用意すると、ハムスターの様子や見た目上の健康チェックも同時に行えるので便利です。
人慣れしないハムスターの測定方法は?
ロボロフスキーや他のハムスターでも、個体の性格によっては人に慣れず、体重測定が難しい子もいます。
人慣れしていないハムスターは、測定のためであっても人に触られることを嫌うので、箱に入れること自体が難しいかもしれません。
そういった場合は、嗜好性の強い食べ物で誘導するという手段があります。
野菜やひまわりの種子など、好きな食べ物を箱に入れて誘導してみましょう。
どう頑張っても箱に入ってくれないハムスターの場合、ケージの中に秤を入れて、上に乗ってくれるのを待ってみましょう。
警戒して乗ってくれない場合には、餌を置くなどして様子をみます。
個体によっては体重測定が大変な作業になってしまいますが、ぜひ色々工夫してチャレンジしてみて下さいね。
成長期の体重
特に問題もないのに、ハムスターの体重を測っても、平均体重の範囲内に入らない期間があります。
それは、ハムスターの「成長期」の期間です。
ハムスターは生後1か月程度で大人になりますが、その後3カ月までは「急成長期」の期間になります。
急成長期期間と言うのは体が作られる大事な時期で、食欲も旺盛になります。
そのため、体重の増加も激しい時期です。生後3か月までの体重測定では、体重増加を極度に気にする必要はありません。
正しい食事内容で、健康管理をしてあげて下さいね。
3カ月を過ぎると、成長は緩やかになってくるため、体重管理も3カ月以降からスタートすると良いでしょう。
ハムスターの体重が増加、減少した場合、適正な体重に戻す方法や管理法とは?
肥満や痩せすぎは、人間同様、ハムスターにとっても様々な病気や体調不良を引き起こす原因となってしまいます。
そのため、定期的に体重を測定し、適正な体重を保ってあげる必要がありますよ。
ここでは、肥満の場合、痩せすぎの場合に分けて、その時の体重管理法などについてまとめています。
ハムスターの肥満の判断と対処法?
平均体重を超えてしまっているからと言って、即、「肥満」ということではありません。
体重以外にもチェックすべき項目があり、それらをトータルで考えて肥満であると判断するべきです。
もし肥満と判断できたならば、そうなった原因をつきとめて、適正体重に戻すよう管理してあげましょう。
まずはハムスターの肥満度をチェック!
肥満を見極めるには、ハムスターの見た目や外見のチェックも大事です。
適正体重を超えていて、以下のような様子が見られたら、肥満の可能性が高いです。
① 全体的にころころとした印象で、真上から見ると丸に近い形状をしている
② 背中などに比べて、胸やお腹の毛が薄くなっている
③ 毛ツヤが非常に良い
④ 手足の付け根周辺にたるみがある
太ってくると見た眼がころころと丸みを帯びてくるのは、人間も同じですよね。
その他にも、体重の重みで全体的に体が沈みがちで歩行するため、胸、おなか周辺の毛が薄くなったりします。
また、脂肪分の多い食事をしていると、毛並みが非常に艶々した印象になりますよ。
当てはまる項目があれば、肥満の可能性を疑ってみて下さいね。
ハムスターが肥満になる原因とは?
ハムスターが肥満になってしまう原因として、大きく2つのことが考えられますよ。
嗜好性の高い食事や脂肪分の高い食事のとりすぎ
ハムスターの主食はペレットですが、これは嗜好性も低く、食べ過ぎる心配はありません。
また、多少多めに食べたからと言って、肥満に繋がるようなこともありません。
問題は、嗜好性の高い野菜、果物、おやつ、ひまわりの種子などの食べ物の与え過ぎです。
おやつや種子など、ハムスターが喜んで食べるからと言って、たくさん与えていませんか?
野菜、おやつ、果物などは、一日に一回、一度で食べきれる量を与えるだけで充分です。
また、種子類は特に脂肪が高いので、注意が必要です。1日に1粒も与えれば十分ですが、毎日与える必要もありません。
運動量が足りない
運動不足は、ハムスターにとっても肥満の原因になり得ます。
市販されているケージにはとても小ぶりなものもあり、かわいらしいのですが、飼っているハムスターにとっては狭すぎる場合があります。
適度な大きさのケージを用意し、回し車などの運動器具を設置してあげて下さいね。
肥満ハムスターの体重を適正に戻すには?
ハムスターに肥満が疑われるならば、病気にさせないためにもダイエットを試みましょう。
ハムスターのダイエットとして大事になるのは、食事制限と運動量の確保です。
食事内容に関しては既述の通り、嗜好性の高いものをなるべく避け、ペレットと最低限の野菜で調整することです。
また運動に関しても、運動器具を設置したり、ケージから出して安全な場所を散歩させるなど、ハムスターが進んで運動する環境を作ってみましょう。
ハムスターのダイエットでも、急激な体重減少や変化を求めるのは危険です。
食事内容をいきなり変えてしまうと、ストレスを感じて病気になってしまうハムスターもいます。
ゆっくりと徐々に減らしてあげることが大事になってきます。
1~2か月くらいの期間をかけて、適正な体重を目指しましょう。
ハムスターの瘦せの判断と対処法?
肥満の場合とは違って、平均体重の下限値を下回るようであれば、瘦せ気味、または痩せすぎの可能性が考えられますよ。
ハムスターの痩せ度チェック!
体重が平均体重を下回って、痩せているのか気になったならば、下記の項目をチェックしてみて下さい。
① ペレットをあまり食べていない、残している
② 水分補給が上手くできていない
与える餌が、ペレットだけになっていませんか?
ペレットはハムスターの主食ではありますが、嗜好性が低く、個体によっては好き嫌いをして食べない子もいます。
また、そういった場合には水分不足も気になります。
給水器からうまく飲めていない子の場合、水分が不足していることが考えられます。
さらに、野菜なども与えていないとなると、明らかに水分が摂取できていないことになります。
ハムスターの痩せの原因とは?
ハムスターが痩せてくる原因としては、以下のことが考えられます。
餌が合っていない
嗜好性の低いペレットを好き嫌いして、食べていない可能性があります。
ストレスを感じている
ハムスターはストレスに弱い生き物です。飼育環境が悪ければ、食欲にも影響してきます。
病気
主に内蔵の疾患が考えられますが、何か病気を患っている場合にも体重は減少します。
老化
ハムスターの寿命は短く、老化現象の一つとして痩せてくることが考えられます。
痩せ気味、痩せすぎのハムスターを適正な体重にするには?
痩せている原因が老化や病気と言った理由であるならば、病院に連れて行くなどの対応をしてあげなければいけません。
しかし餌が原因ということであれば、食事内容を見直してあげましょう。
ペレット以外にも、少し嗜好性の高い野菜を適量与えてみましょう。
例えば、かぼちゃやニンジンなどは甘みがあり、ハムスターが好んで食べる野菜です。
しかしハムスターが好むからと言って、種子類を多く与えるのは禁物です。
種子類は脂肪分が高く、嗜好性が高すぎるため、その他の食べ物を食べなくなってしまう可能性があります。
痩せを気にするあまり、一度に多くの嗜好性の高い食べ物を与えてはいけません。あくまで適量を与えて、様子をみましょう。
体重は定期的に測定しよう!
見た目ではわかりにくいハムスターの体調ですが、定期的に体重を測定することで、その変化に気づいてあげられることもあります。
例えばお腹を壊して下痢をしている場合、定期的に体重測定をしていれば、体重が急激に減少していることで下痢を疑うことができます。
こういった変化も見逃さないためにも、週に1回程度のペースで体重を測ってあげて下さいね。
急に太った、急に痩せたは、病気のサイン!?
特に飼育環境や食事内容に変化がないのに、急に太ってきたり痩せてくる場合には、病気の可能性が考えられます。
お腹を中心に丸みを帯びたり、太ったように感じたならば、腹水がたまっているのかもしれません。
また、食事をきちんととっているにも関わらず痩せてくる場合には、腹腔内に虫がいる可能性もあります。
いずれの場合にも、気が付いた時点で病院に連れて行き医師の診察を受けましょう。
適正な体重をキープしてあげよう!
体重管理のコツは、適切な食事内容と運動量の確保です。
糖分や脂肪分の高い餌を与え続けていれば当然肥満気味になってきますし、栄養価や嗜好性の低い食事だけでは食欲が落ち、痩せてしまう原因となります。
十分な量のペレットと、栄養価の高い野菜を適量与えることで、自然と適正体重が保てるはずです。
食べている姿がかわいいからと言って、おやつや種子類を与えすぎるのは厳禁です。
かわいいペットの健康管理のため、心を鬼にすることも必要ですよ。
まとめ
肥満や痩せが原因で病気になることがあるのは、人間もハムスターも同じです。
人間であれば自分で管理できる体重も、ハムスターにとっては飼い主さんに頼るしかありません。
ハムスターの体重測定を習慣化していれば、いち早く体調の変化にも気づいてあげられます。
また、病院に連れて行ったときにも、体重変化の記録が診断の手がかりになることもあります。
慣れるまでは大変かも知れませんが、かわいいペットのため、ぜひ定期的な体重測定をしてあげて下さいね。