ハムスターは寒さに弱い生き物なので、冬はケージ内を温かくする必要がありますよね。
温かい布団や巣材を用意してあげたいところですが「綿」はどうでしょうか?
ふわふわっとした綿は、軽くて暖かそうなので、ハムスターの布団に適しているように感じますね。
しかし実は綿は、間違って食べてしまうととても危険なんです。
ここでは綿がハムスターに危険な理由や、綿以外の布団についてもご紹介します。
目次
ハムスターが綿を食べた!どんな危険がある?
寒い時期にふわふわの綿をケージに入れてあげると、ハムスターは喜んでお布団にするかもしれませんね。
巣の中には餌を隠し持っていたりするので、それらと一緒に綿を食べてしまう事もあるでしょう。
綿を食べてしまった場合、どういった危険があるでしょうか?
腸閉塞になってしまうかも
「綿」は繊維です。そのためハムスターの小さな胃では、消化できないことがほとんどでしょう。
飲み込んでしまった綿が、そのまま全部便として出てきてくれれば安心できます。
しかし、小腸や大腸で詰まってしまうと、腸閉塞という状態を引き起こすことも。ハムスターが腸閉塞になってしまうと、命を落とすこともあります。
頬袋脱の危険
綿をハムスターに渡すと、ハムスターは頬袋に入れて巣まで持っていこうとするでしょう。その時に誤って飲み込んでしまうことも考えられます。
また、頬袋から出すときにも危険が。綿は細かな繊維なので、とても絡まりやすいものです。頬袋の中でも絡まって、なかなか取り出せないこともあるかもしれません。
全部出そうとして、頬袋脱(ほおぶくろだつ)が起こる可能性もあるんです。
頬袋脱とは、ハムスターの口の中にある頬袋が口から飛び出してしまう病気です。口からピンク色の頬袋がでてくるので見た目でわかります。
綿を布団(巣材)にしても危険がある!
食べてしまう事で危険があることは記述の通りですが、それ以外でも綿を使うことには否定的な意見があります。
アレルギーの心配
花粉やハウスダストなど、アレルギーに苦しむ人はたくさんいますが、ハムスターにもアレルギーはあります。
綿を布団にしていると、ほこりが出ます。そのほこりに反応してアレルギーを発症するハムスターがいるんです。
主に、くしゃみや鼻水、咳といった人間と同じような症状が見られますが、これら二つ以上の症状が見られると、アレルギーを疑いましょう。
中には眼病を発症するハムスターもいるので、要注意です。
手足が絡まり事故を起こす危険
綿は繊維ですから、ハムスターの手足や爪に絡まってしまう危険があります。その結果爪が剥がれたり、手足を締め付ける危険も。
締め付けられたまま放置していると骨折の危険や四肢の壊死なんて事態も考えられます。壊死してしまった手足は体から切り離されてしまうので、その後の生活に支障を来すことになるでしょう。
運動ができない、食事がうまく取れないというのは、ハムスターにとって死活問題になってしまいます。
綿にはどんな種類がある?
「綿」と一口に言っても、素材などによって様々な種類があるんです。用途によって、使われる種類が変わってきます。どんなものがあるのか、まとめてみました。
木綿
ワタの種子から生産された繊維。コットンや天然綿と呼ばれるもので、植物性の繊維。
羊毛綿
文字の通り、羊の毛を原料として作られた繊維。布団や座布団などに良く使われています。
合繊綿
ポリエステルなどの化繊でつくられた綿。布団や洋服の中綿として使われています。
竹綿
天然の竹から作られた繊維。静電気を起こしにくい、抗菌、消臭性に優れている、アレルギーを起こしにくいという特徴があります。
ハムスター用に売られている綿はどんなもの?
ハムスターに綿は危険と言われても、実際にお店では「ハムスター用の綿」が売られています。ハムスター用に市販されている綿の種類は、「木綿」か「竹綿」ですね。
商品の綿は短く裁断されているので、ハムスターの手足に絡まりにくいよう配慮がなされています。しかしいくら短くカットされていても、生活の過程で絡まってしまう危険はゼロではありません。
商品の中には、人間の布団のように掛布団と敷布団がセットになったようなものまで売っています。
ハムスターは、かじったり掘ったりすることが好きなので、布団カバーなんてすぐに破ってしまうでしょう。破る過程で爪を痛めたり、中の綿を食べてしまう事も考えられますね。
少しでも危険がある限り「使う・使わない」の判断は、飼い主さんが責任をもってしなければいけませんね。
綿を与えてしまった!食べたかどうかはチェックできる?
危険ということを知らずに綿を与えてしまった、ということもあるかもしれませんね。
すぐに取っ払ってしまえば、手足に絡まる危険は回避できますが、すでに食べてしまっているかもしれない!という場合はどうすればよいのでしょうか?
まずは糞をチェックしてみましょう。通常、ハムスターの糞は楕円形のぽろぽろとしたものです。綿を食べていれば、消化できない綿の繊維が糞と混じり、3個4個と繋がった糞が出てきます。
繋がった糞は綿を食べている証拠!毎回排出できるとも限りません。そういった子の場合は、すぐに使用をやめた方が良いかも知れませんね。
綿がハムスターに危険なのはわかったけどなんで売ってるの?
ハムスターにとって、綿が危険なことは既述の通りです。では、なぜそんな危険なものが商品として売られているのでしょうか?
答えは「ハムスターの保温、防寒道具として、綿が手軽で安価」だからです。
ハムスターは寒さに弱いので、冬の防寒は必須です。しかしハムスターのためにエアコンを一日中点けておくというのも大変ですよね。
ハムスター用のヒーターなども売っていますが、配線をかじって感電する恐れなどもあります。
一番手軽で、ある程度の温かさを確保できるものが、「綿」と言う訳です。
ハムスター用の布団、綿の代わりになるもの!メリット・デメリットも紹介!
ハムスターの布団として綿が使えないならば、どんなものを代わりに与えてあげればよいでしょうか?
ティッシュ(キッチンペーパー)
清潔で、ある程度の保温性も保てるティッシュやキッチンペーパー。布団用に細かくちぎって与えると、嬉しそうに頬袋に詰めて持っていきます。
メリットとしては安価で、いつも家にあるので、与えやすく汚れても交換がすぐできるところでしょうか。
デメリットとしては、こちらも食べてしまった時に紙の繊維が消化できず、腸閉塞の恐れがあります。また、ティッシュはほこりが出やすいので、アレルギーを引き起こす可能性も。
新聞紙(古紙)
新聞紙も保温性がありますね。最近の新聞紙はインクに植物性のものを使うなどしているので、安全性も高くインクのにおいなども比較的気にならないでしょう。
メリットとして、材料費がかからないという点があげられます。布団と言わず、巣材としてケージ内に敷き詰めている人も多いのではないでしょうか。
デメリットとしては、食べてしまう子には向かないということ。やはり新聞紙も「紙」ですから、食べない方が良いですよね。布団として与える場合は、細かくちぎって与える必要があるので、その手間も考えなければいけませんね。
ウッドチップ
保温性、吸水性に優れているウッドチップ。ウッドチップとは、木材を細かく裁断し、チップ状にしたものです。これを床全体に多めに敷き詰めてあげると、潜って遊んだりその中で眠ったりします。
メリットとしては、比較的安価で誤食しても消化できる点が挙げられます。
デメリットは、ウッドチップにアレルギーを示すハムスターがいることです。木材の種類にも寄りますが、アレルギーが出るようなら使用することができませんね。
布
人間の使い古した洋服や、布の切れ端など、与えるとあったかいお布団になりそうですよね。
しかし実際は、掘ったりかじったりすると危ない(爪が折れるなど)ですし、どんな素材が使われているかわからない(化繊やウールなど)ものもありますね。
布の繊維が絡まって、綿と同じように骨折や四肢の壊死、という事態も考えられます。布を布団として与えることには、あまりメリットが感じられませんね。
まとめ
ふわふわした綿から顔を出すハムスター、とっても愛らしいですよね。綿は手軽で安価に手に入るので、冬の防寒用に与えやすいものです。
しかし、与えることには様々な危険やデメリットがあります。できることなら与えないほうが、ハムスターの危険は減らせることでしょう。
綿以外のものを布団として与える場合にも、それぞれメリット、デメリットがあるので要注意ですよ。
人間に個性があるように、ハムスターにも一匹、一匹個性があります。どんな布団がその子に合うのか、しっかりと見分けてあげることが大事ですね!