四季のある日本ですが、ハムスターの飼い主さんにとって季節の移り変わりとともに気になるのが、やはり温度管理の問題。
特に冬場は冬眠させてはいけないしと、どのように対策したらよいか悩んでいる方も多いはず。
「ハムスターって寒さに弱いって聞くけど、やっぱりエアコンをつけっぱなしの方がいいのかな?でも電気代が気になる…」と電気代との戦いに頭を悩ませている飼い主さんも少なくないでしょう。
そこで今回は、エアコンに頼らずに寒さ対策をするにはどうしたらよいのか、どんな方法があるかなど、まとめてお伝えします。
目次
エアコン無しの寒さ対策の注意点!
まず、ハムちゃんが冬を乗り越えるための寒さ対策をとる際に、基本となるポイントをおさえたいと思います。
冬場は温度管理に特に注意!
冬場は室内の気温が下がりますが、15℃以下になってくると、ハムスターの疑似冬眠の危険性が出てきます。
疑似冬眠は命の危険が迫っている危機的状況です。
ハムスターの適温は20℃~26℃と言われていますので、ケージ内がそのくらいの温度を保てるよう、注意しなければなりません。
飼い主さんの居住地域やお家の造りによって変わります
温度管理の注意の仕方は、もちろん飼い主さんがお住いの地域やお家の造りによっても変わってきます。
極端に言えば、北海道と沖縄では冬場の温度は全然違いますし、戸建てかマンションかによっても室内の温度ってけっこう違ってきますよね。
なので、飼い主さんがお住いの環境にあった温度管理が必要になってきます。
温度計の設置は必須
温度管理の際に必須なのが、やはり温度計です。人間が体感で寒くないと感じていても、ケージ内はハムスターにとって少し温度が低い場合もあります。
それを確実に判定できるのが、温度計です。
ハムちゃんのケージに温度計を設置し、温度が下がり過ぎていないか、客観的に判断できるようにしておきましょう。
ハムスターの寒さ対策を始める時期はいつから?
では、具体的にどのくらいから寒さ対策を始めた方が良いかというと、基本的には9月末と認識しておいて良いでしょう。
まだまだ暑い日もありますが、急激に気温が下がるなど、気温差が大きくなってくる時期です。
ハムちゃんが寒がらないよう、早めに対策が取れるとよいですね。
また、上にも書きましたが、地域や住居などによっても気温差の影響の仕方が違ってくるので、温度計を使ってしっかり温度を確認しましょう。
気温差がない環境が理想
また、温度管理でもう一つ重要なことは、気温差が少ない状況を保つことです。
ハムスターは気温差にも弱い動物なので、なるべく10℃以上の気温差にならないように、室内やケージ内の温度を一定に保ちましょう。
疑似冬眠・熱中症に注意
寒さ対策をとる際に注意してほしいことは、冬場なので疑似冬眠はもちろんだと思いますが、実は熱中症にも注意が必要です。
寒くならないようにと暖房やヒーターを使い過ぎると、温度が上がり過ぎてハムちゃんが熱中症になる可能性もあります。
ヒーターの当たらない場所を作ったり、温度の自動調節機能が付いたグッズを活用したりするなど、工夫が必要です。
寒い場所にケージは置かない
当たり前ですが、寒さの影響を受けやすい場所にはケージを置かないようにしましょう。
窓際や寒い空気の出てくるドア付近などにケージを設置するのはダメです。
夏同様、直射日光の当たらない、適度に風通しある場所にケージを設置してあげましょう。
高い所は温度が高い
特に冬場に最適なのは、少し高めの場所にケージを置いてあげることです。
低い場所には冷たい空気が溜まりやすいので、テーブルや机の上など、高さのある場所にケージを設置すると、寒さの影響を受けにくくなりますよ。
また、床に直に置かないことで、人の足音などの振動からも、ハムちゃんを守ることができます。
たっぷりの床材も大事
また、冬場は床材をたっぷり入れてあげることが大事になってきます。
夏の2~3倍程度入れてあげ、ハムちゃんが少しもぐれる程度の深さになっていると理想です。
寒ければせっせと巣箱に床材を運び、ハムちゃん自身で温度の調節もできます。
ハムちゃんが好きなだけ自分で巣箱に運べれば、ハムちゃんも喜びますね。
床材に綿の使用はやめましょう
床材を選ぶ際に注意してほしいのが、綿素材のものは使わない、ということです。
暖かそうに見えますが、ハムちゃんが足などを引っかけて骨折してしまったり、誤って飲み込んだ際に腸閉塞になったりする危険性があります。
アレルギーもおきづらい広葉樹の床材を使用すると良いですね。
冬場は水槽型ケージがおススメ
そして、冬場に向いているケージのタイプとしては、水槽型のものになります。
夏場は風通しが悪く温度も高くなりやすいのですが、その逆で冬場は保温性に優れています。
金網型のケージは保温性が低いので、冬場は水槽タイプに切り替えるのもありですね。
エアコン無しで冬を乗り切るための具体的なハムスターの寒さ対策5つ
ではここから、実際にできるエアコン無しでの寒さ対策を、5つに分けてお伝えしていきたいと思います。
ケージの保温性や断熱性を高める方法
まずは基本的なこととして、簡単にできる保温性や断熱性を高める方法をご紹介します。
段ボールを使ってケージを囲う
特にコストはかからない、気軽な方法が段ボールを使うことです。
ケージにあったサイズの段ボールを用意し、ケージの内部が見えるように1面は段ボールを切り取って、ケージを囲うようにします。
見た目は可愛くないかもですが、とても手っ取り早い保温効果を高める方法です。
毛布・タオルなどをケージの上からかけたり、下に敷いたり
こちらもお家にあるものでできる方法です。適度なサイズの毛布やタオルをケージの上からかけたり、ケージの下に敷いたりするのも有効です。
ケージの下に敷くのは、床からの冷気を遮断するのに役立ちます。
毛布をかける時は空気の通り道を作って
この毛布をかけるという方法を行う際に注意してほしいのが、空気の通り道は残して毛布をかける、ということです。
寒いだろうと全面毛布をかけて密封してしまうと、ハムちゃんが窒息してしまう危険性があります。
保温効果を高めたくなるかもですが、必ず空気の通り道を作って毛布などをかけてあげてくださいね。
100均のコルクマット・断熱シートを利用
また、床からの冷気対策には、100均で売っているコルクマットやアルミ製の断熱シートを活用するという手もあります。
コルクマットと断熱シートをダブルで使用して、ケージの下に設置してあげても良いですね。
室内全体を暖める方法
もっとも確実に温度を上げる方法と言えば、エアコンや暖房器具を使用することですね。
しかし、今回は優秀なエアコンは使用しないでというテーマなので(笑)、その他で活用できるものを見てみましょう。
ストーブなども活用できます
もちろんストーブの活用も有効です。人間が部屋を暖めるのに使っているものですから、活用しない手はないですね。
ただ、温風が直接ハムちゃんのケージに当たるのは良くありません。
暑くなりすぎたり、乾燥しすぎたりする可能性があります。
ストーブなどの暖房器具を使用する場合は、直風の当たらない場所にケージを置いてあげましょう。
また、ストーブは飼い主さんの外出時にはなかなかつけっぱなしにはできない道具ですね。
そんな時は、他の暖かグッズを活用してみてください。
ケージ内設置用の暖かグッズを利用する方法
ケージ内に設置する暖かグッズには、次のようなものがあります。
飼い主さんが使いやすいものや、飼っているハムちゃんに適したものを選んであげましょう。
カイロを利用する
ハムちゃん用カイロケースが売っていて、その中にカイロを入れてケージ内に置いてあげるものです。
とても気軽に利用できますが、持続時間が短いため、毎日使用するとなると少しコストがかかるのが難点です。
また、最高温度はけっこう高くなるので、ハムちゃんが低温やけどなどしないように注意が必要です。
湯たんぽを利用する
こちらもお家にあるもので気軽に活用できます。
ペットボトルにお湯を入れ、それをタオルなどで包んであげると、自作の湯たんぽができます。
ケージの中に置いてもいいですし、ケージの上などに置いても効果があります。
しかしこちらも長時間の使用には向きません。
ペットヒーターを利用する
ペットショップなどで販売されている、ケージ内設置型のペットヒーターを活用するのも良いでしょう。
基本的に電気代は1日数円程度なので、とても経済的です。
ただ、ケージ内設置タイプは、コードを通す穴がケージにないと設置が難しくなります。
その場合は、ケージの外に設置するタイプを選んでも良いでしょう。
おススメヒーター3選
では、オススメのヒーターを3つご紹介します!
ほっとハム暖リバーシブルヒーター
裏表で温度の設定が異なるリバーシブルタイプのケージ内用ヒーターです。
38℃と30℃の面を使い分けて使用することができます。
コードもカバーされ、水拭きもできるのでお手入れしやすいです。
ハムちゃんのドームヒーター
ドーム型のハムスター用ヒーターです。
こちらも高温面と低温面のリバーシブル。
ドームを取り外してパネルのみでも使用できます。
マルカン 保温電球
電球タイプのヒーターです。ケージ内の空気を暖めてくれます。
カバーが付いているので、かじるなどのイタズラの心配もありません。
ケージ外設置用の暖かグッズを利用する方法
では、ケージの外側に設置するタイプの暖かグッズを次にご紹介します。
ホットカーペットを利用する
人間の使用するホットカーペットを活用するという方法もあります。
その場合、ケージ全体をホットカーペットの上に置いてしまうと、暑すぎる場合にハムちゃんの逃げ場が無くなってしまうので、ケージの半分だけをホットカーペットに乗せるなど、工夫してあげましょう。
電気毛布を利用する
電気毛布をかけてあげるのも暖かさを保つ良い方法です。
ペットヒーターよりは電気代はかかりますが、エアコンよりだいぶお安く済みます。
こちらも全体にかけてしまうと暑くなりすぎる可能性があるので、ケージの半分程度にかかるようにするなど、ハムちゃんの様子を見ながら調整してあげてください。
ペット用パネルヒーターを利用する
ケージ外設置用のパネルヒーターもあります。
こちらはケージの外に設置なので、コードを通す穴がケージになくても、問題なく使用できます。
ケージ全面に敷かず、一部だけヒーターを敷くようにしましょう。
おススメパネルヒーター3選
では、オススメのパネルヒーターを3つご紹介します!
ピタリ適温プラス
多重安全装置の付いたヒーターです。
温度を自動制御してくれるので、高温になり過ぎるなどの心配もありません。
自己消火性機能も付いていて、万が一の時も火事にはならない優れもの。
フラットウォーマー
小動物用のパネルヒーターで、断熱シートも付いていて熱効率も良し。
安全性も売りのヒーターです。
マルチパネルヒーター
24℃~45℃程度の範囲内で温度設定ができるヒーター。
温度管理がしやすいお品です。
カロリー高めのエサで身体から寒さ対策する方法
そして、寒さ対策としてちょっと方向性が異なるけど、けっこう有効だと思われるのが、カロリー高めのエサで身体を守る方法です。
人間でも寒い方が身体を温めるのにカロリーを使うと言いますよね?
やっぱり寒い時はしっかり食べて栄養をため込み、寒さに対抗できる身体作りが必要になってきます。
ヒマワリの種などの種子類やチーズ、ミルワームなどのカロリー高めのエサを、いつもより多めにハムちゃんにあげてみても良いでしょう。
ただしこの方法は、どのくらいで十分なのか見た目では分からないので、カロリー高めのエサをあげたからと言って、寒さ対策を怠らないように注意してください。
【補足】部屋の温度を基準にした寒さ対策の目安
ここまで、エアコンを使用しない様々な寒さ対策を見てきました。
ここでは、どれくらいの温度の時にどんな対策が良いのかを、温度別に見ていきたいと思います。
部屋の温度が20℃程度の時
ケージの周りにタオルなどをかけたり、ケージの下にタオルを敷いたりしましょう。
段ボールでケージを囲い、床材も多めに入れてあげましょう。
部屋の温度が15℃程度の時
ペット用ヒーターなどを使用し、本格的な寒さ対策に入りましょう。
部屋の温度が10℃以下の時
エアコンや暖房器具を使い、部屋を暖めましょう。
電気毛布などをケージの上からかけてあげましょう。
雪が降ったり氷が張ったりするような寒さの時
電気毛布の温度を少し上げてあげましょう。
さらに電気毛布の上から厚手のタオルなどをかけてあげましょう。
まとめ
今回はエアコン無しでできるハムスターの寒さ対策を見てきました。
有効かつ経済的な方法がたくさんありましたね。
お住いの環境などにも配慮し、ハムちゃんの適温が保たれるよう、いろいろ活用してみてくださいね。