もし、「ハムスターを飼って気になったことランキング」があるとしたら、その中でも上位に食い込んでくるであろう事柄が、「ハムスターの毛づくろい」ではないでしょうか。
初めて飼った方は特に感じるかもしれませんが、ハムスターってけっこう毛づくろいしますよね。
「ちゃんと掃除もしてるのに、何か虫でもいるのかな?」と不安に思うことも、割とハムスター飼育のあるあるだと言っても間違いではないでしょう。
そこで今回は、そんなハムスターの毛づくろいに関する情報をお伝えし、毛づくろいの意味や、どんな注意点があるかなど、毛づくろい疑問を一挙に解消してもらおうと思います!
目次
ハムスターはとってもキレイ好き
そもそもハムスターはとってもきれい好きな生き物。
基本的にはどんな子も毛づくろいが大好きで、身体を清潔に保とうと器用に全身ペロペロしています。
個体差もありますが、毛の長い子は本当にしょっちゅう毛づくろいをしていますね。
つまり、毛づくろいの目的の中には、身体を清潔に保つ、ということが含まれていて、そこは多くの方の想像通りのところかと思います。
しかし、毛づくろいにはそれだけではなく、他にもさまざま意味が含まれているのです。
ハムスターが毛づくろいをする意味とは
ハムスターが毛づくろいをする様々な意味について、まずは大きく2つに分けられます。
それは、ハムスターが通常に行うもので心配のいらない安心な毛づくろいと、何か問題を抱えている可能性があって行っている注意サインとしての毛づくろい、ということになります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
安心な毛づくろい
通常にハムスターが行う健全な行為としての毛づくろいには、以下のような意味があります。
・身体に自分のにおいを付けて精神的に安定するため
・汚れを取るため
・身体に唾液を付けて細菌感染などから体を守るため
・体温調節のため
このような意味合いで行っている毛づくろいは、ハムスターが自分の健康を維持するために日常的に行うもので、特に心配はいりません。
しょっちゅう毛づくろいをしていると心配になりますが、上記のような意味合いで行っている時は、ハムちゃんの気が済むまで毛づくろいをさせてあげましょう。
安心な毛づくろいはどんなシーンで行っている時なのかという具体的な例については、下でお伝えします。
注意サインとしての毛づくろい
そして一方、何か健康上の問題などがあって毛づくろいしている時もあり、その時の毛づくろいの意味とは次のようになります。
・緊張している/落ち着かないので安心したい
・ノミやダニが繁殖していて不愉快
・皮膚疾患になっていてかゆみなどをどうにかしたい
・運動不足などでストレスが溜まっていて解消したい
精神的に落ち着けない状況にあるために必死に毛づくろいをしていたり、ダニの影響や皮膚疾患などになっていたり、ストレスのせい、ということもあります。
毛づくろいをしていてもこのような問題を抱えている可能性もあるので、しっかりと見極めてあげなければいけません。
どんなシーンでこのような注意サインとしての意味を含んだ毛づくろいを行っているのか、具体例は後ほどご紹介します。
【シーン別】安心な毛づくろい
では、ハムちゃんが健康的に行っている毛づくろいとして、具体的にはどんなシーンが当てはまるのか、例を見ていきましょう。
自宅にお迎えしたばかりの時
ペットショップなどからハムちゃんをお迎えしたばかりの時は、ハムちゃんも新しい環境に戸惑っていて、ケージなども自分の匂いがせず不安になっています。
そこで、自分の匂いで落ち着くために、一生懸命毛づくろいをします。
自分の匂いを体中にまとって、安心しようとしているのです。
飼い主さんと触れ合った後
飼い主さんと触れ合った後は、自分以外の匂いが身体に付いているので、ハムちゃんも自分の匂いに戻そうと毛づくろいをします。
嗅覚の発達したハムクターは、自分の匂いで安心したいのです。
飼い主さんとしては、ケージにもどしたら即毛づくろいを始めたとなると、「そんなに触られたのが嫌だったのかな…」なんて落ち込んでしまうかもしれませんね。
しかし、それはハムスターの安心するための本能的な行動なので、許してあげてください。(笑)
目覚めたばかりの時
ハムちゃんも寝起きは乱れた毛並みを整えたり、寝ている間についた汚れなどを落としたりして、身体をキレイにしようとします。
目覚めた時の毛づくろいも、ごく自然な行動なのです。
お食事の後
人間も食事の後に口周りを拭いたりしますが、ハムスターも同じようなことをします。
食事で汚れた口周りをキレイにし、ついでに全身もペロペロと毛づくろいしてキレイにします。
ケージ内のお掃除が終わった後
ケージ内を掃除して床材を取り換えたりすると、自分の匂いが少なくなってハムちゃんも不安になります。
そんな時も自分の匂いで安心しようと、ハムちゃんは毛づくろいをします。
【シーン別】注意サインとしての毛づくろい
では次に、注意サインとしての毛づくろいがどんなシーンに当てはまるのか、具体例を見てみましょう。
飼い主さんがかまい過ぎの時
お迎えしたばかりのハムちゃんをやたらのぞいたり触ったりすると、ハムちゃんは慣れない環境の中緊張して、必要以上に毛づくろいをします。
迎えたばかりでなくても、飼い主さんがケージの近くでハムちゃんをのぞいてばかりいると、ハムちゃんは落ち着かないために、落ち着こうと必死に毛づくろいをします。
飼い主さんがケージをのぞいている時にいつも毛づくろいをしている場合は、ハムちゃんがストレスを感じて、落ち着きたいために毛づくろいをしている可能性があります。
そんな時は少し距離を置き、そっとしてハムちゃんが安心できる環境にしてあげてください。
他の動物の鳴き声や人間の生活音がうるさい
ハムスター以外に動物を飼育していて、その鳴き声がハムちゃんによく聞こえていたり、テレビや人の足音などが頻繁に響く環境にハムちゃんがいたりすると、ストレスとなってハムちゃんは落ち着きません。
そんな時も毛づくろいで安心しようと必要以上に行うことがあります。
そんな時はケージ置き場などの環境の見直しが必要です。
ケージが狭くて運動不足
回し車を設置していても、ケージが狭いとハムちゃんのストレスになっている可能性があります。
運動不足によるストレスでも、過剰な毛づくろいをすることがあります。
可能であれば、ケージを大きくしたり、お部屋をお散歩させてあげたりして、ストレスを発散させてあげましょう。
同じ箇所ばかり毛づくろいしている時
同じ箇所ばかりを気にして毛づくろいしている場合、皮膚病などの可能性があります。
毛艶が無くなる・毛が一部はげている・皮膚が赤くなっている、などの症状が見られた場合も、ハムちゃんの健康が危うい状態になっています。
すぐに動物病院に連れて行って、診察を受けさせましょう。
ハムスターが自分以外の個体を毛づくろいすることってある?
ここまで、ハムスターの毛づくろいの意味や具体例を見てきましたが、それはハムちゃんが自分で自分に行う毛づくろいを想定していました。
では、ちょっと初歩的な話に戻って、そもそもハムスターって、おサルさんみたいに仲間同士で毛づくろいすることってあるのでしょうか?
実は、ロボロフスキーのような仲間意識の強いハムスターは、仲間同士で毛づくろいをすることがあります。
多頭飼いも可能な種類なので、一緒に飼っていると毛づくろいし合う様子を見ることもあるでしょう。
他の種類でも、人懐っこい個体は仲間で毛づくろいすることもあります。それにはスキンシップや仲間同士のじゃれ合いの意味合いがあります。
しかし、ロボロフスキー以外の種類のハムスターは基本単独飼育向きで、仲良く毛づくろいやじゃれ合いをしていたかと思ったら、怪我をするようなケンカに発展することもあります。
なので、ハムスター同士の毛づくろい見たさに多頭飼いをする、などの行為はやめた方がよいでしょう。
ハムスターの毛づくろいについてどんな心構えでいたらよい?
ここまで見てきたように、ハムスターの毛づくろいには良い意味合いもあれば、注意サインとしての意味合いもあったりします。
毛づくろいをよくするからとあまり不安になる必要はありませんが、何かハムちゃんが健康上の問題を抱えている可能性もあります。
しっかりとハムちゃんの様子を観察し、安心できる毛づくろいと判断できる場合には思う存分毛づくろいさせてあげて、何か問題があるかもと心当たりがある場合は、しっかりと対応してあげましょう。
まとめ
今回はハムスターの毛づくろいについてお伝えしました。
毛づくろいは基本的にはハムスターの健康維持のための自然な行動です。
注意すべきサインかどうかも気にしつつ、毛づくろいをする可愛い姿を眺めて、ハムちゃんを大切に育ててあげていってくださいね。