愛らしい姿を見せ、我々人間を癒してくれているハムスターですが、知らないうちにストレスを抱えているかも知れないんです。
ハムスターはストレスに弱く、ストレスが原因で早死にすることもあったり・・・
どんなことがハムスターにとってストレスとなっているのか、知ることで対処できることはあるはずです。
ここでは、ハムスターがストレスに感じているであろう環境や行動など、原因と思われることをまとめてみました。
また、それぞれについて具体的な対処法についても解説していますよ。
目次
ハムスターは環境の変化に敏感な生き物
ペットとしてとても人気のあるハムスターですが、多くの家庭で飼われているからと言って、決して飼育が簡単というわけではありません。
と言うのも、ハムスターは飼育環境の変化などにとても敏感で、我々飼い主が気が付かないところでストレスを感じて体調を崩すこともあるからです。
飼育環境というのは、気温や騒音、光、臭い、他のペットとの共存、人などがえられます。
人間にしてみれば、このくらい大丈夫だろうと思うようなことでも、ハムスターにとってはストレスになっていることもあり得るのです。
ストレスが原因で死に至ることもあるハムスター。
飼い主としては、いち早くハムスターのストレスサインに気づいて、その原因を取り除いてあげたいところですね。
ハムスターはこんなことにストレスを感じている!9つの原因と対処法
ここでは、ハムスターがストレスに感じるであろう様々な原因について具体的にまとめてみました。
もし当てはまることがあるならば、できるだけ早く対処してあげて下さいね。
対処法についても記述していますので、参考にしてみて下さい。
ハムスターを飼育する適切な気温、湿度になっていない
ハムスターは砂漠の乾燥地帯にもともと生息していますが、暑さも寒さも苦手な生き物です。
ハムスターを飼育する上で最適な気温や湿度は、20~26℃で40~60%程度と言われています。
日本には四季があり、夏は多湿で暑く、冬は乾燥気味で寒いですよね。
そういった気温の変化にストレスを感じたり体調を崩す個体は多いため、可能な限り1年を通してケージ内をハムスターに適した温度、湿度に保ってあげる必要があります。
可能であれば夏、冬はエアコンを使用して気温や湿度を管理してあげるのが良いでしょう。
また、冬場はペット専用のヒーターを使用したり、夏場は保冷剤を利用するなど、工夫して温度管理に努めましょう。
大きな音や聞きなれない音
人間と共存する上で、様々な生活音にさらされるハムスター。
その中でも大きな音や聞きなれていない音には敏感に反応して、ストレスを感じてしまいます。
掃除機をかける音やテレビの音、ドアの開閉音など、生活していくうちに慣れてくれることもありますが、やはり気を付けてあげたいところです。
対処法としては、ケージの周辺では大きな音を立てない、テレビの近くにケージを置かない、掃除機をかける時はケージを移動する、などです。
運動不足
ハムスターは体が小さいため、飼育用ケージも小さいもので良いと考える人もいるかも知れません。
しかし、狭いケージの中だけでは運動不足になることが考えられ、それがストレスの原因にもなり得ます。
できれば1日に5~10キロほど走らせるのが健康上でも理想ですが、狭いケージではそれは叶いません。
最低限の運動器具として、回し車を設置してあげましょう。
また、たまには室内に放してあげて散歩させることも良いですね。
その場合は、危険なものがないか事前にチェックしてから放すことを忘れずに(電気のコード類や口にしてはいけないものなど)。
光の加減や明るさは適切か
ハムスターは夜行性なので夜になると活発に行動しますが、一日中暗い環境にいると人間同様、体内時計がくるってしまい体調を壊す原因となってしまいます。
また、夜になっても電気が付きっぱなしで明るい環境でも同様のことが言えます。
きちんと朝や昼は明るく、夜は暗いという環境になっているでしょうか?
もし遅い時間までハムスターのケージが明るい環境にあるのならば、布をかけたりケージを移動するなどして、夜は暗い環境を作ってあげることが大事ですよ。
また、窓の近くなど直射日光が当たる場所もハムスターは苦手です。ケージを設置する場所には注意しましょう。
ハムスターが苦手とする臭いが近くにある
動物の嗅覚は人間よりも優れている場合が多いのですが、ハムスターの嗅覚は実に人間の40倍程度と言われています。
そのため、様々な臭いに敏感に反応し、おいしそうな臭いを感じ取ると、寝ていたハムスターが起きてくることもあるほどです。
逆もしかりで、嫌な臭い、苦手な臭いも敏感に感じ取っています。
芳香剤や香水など、人間にとっては良いと感じる臭いであっても、ハムスターにとっては悪臭と感じるものもあります。
嫌な臭いにずっとさらされていることは、人間であってもストレスですよね?
できればハムスターに接するときは香水などの使用は避け、ケージの近くには芳香剤を置くことも止めておきましょう。
他のペットや個体との共存
ハムスターは1匹につき、1つのケージで飼うのが基本です。
というのも、ハムスターは縄張り意識が強い生き物なので、それがたとえ親兄弟であっても同じケージ内で飼育するのはよくありません。
成長して独り立ちしたハムスターは、必ず別々のケージで飼育するようにして下さい。
また、ハムスター以外にペットを飼っているという場合、ハムスターとの接触には注意が必要です。
ハムスターは見ての通り体の小さな生き物です。
ハムスターよりも大きな生き物は脅威以外の何物でもありません。
思わぬ事故を防ぐためにも、ハムスターと近づけないようにすることが大事です。
必要以上にハムスターとコミュニケーションを取ろうとしていないか
小さなお子さんがいらっしゃるお宅の場合など、寝ているハムスターを起こしてコミュニケーションを取ろうとはしていませんか?
ハムスターは夜行性なので、子供たちが寝てしまうころに活動を始めることがほとんどでしょう。
起きているハムスターが見たい、触りたいなどの思いから、昼間に寝ているハムスターを起こしてしまっては、それはハムスターにとってかなりのストレスになります。
気持ちよく寝ているときに起こされるのは、人間でも不快ですよね。
寝ているハムスターは起こさない、急に触ってびっくりさせない、基本的なことですが注意してあげたいところです。
ケージ内が清潔に保たれていない
もともとハムスターはきれい好きで、トイレなどもある程度決まった場所にしてくれます。
ケージ内は定期的に清掃してあげないと、糞尿の臭いや食べ物の腐敗などで悪臭の原因となります。
また、カビやダニが発生する原因ともなるため、そういった環境にハムスターがいると体調を崩したりストレスを感じることとなります。
トイレの清掃は毎日、ケージの清掃は1週間に1回など、頻度を決めて清潔を保ってあげましょう。
しかし毎日ケージ内をリセットするというのは禁物です!
ケージ内から自分の匂いがすべてなくなることもストレスに感じてしまうからです。
ケージを清掃したあとも、巣材などすべてを交換するのではなく、古いものを少し入れておいてあげると良いでしょう。
床材、巣材不足
野生のハムスターは、地下に巣穴を作って生活していますが、ペットのハムスターにとって床材、巣材は巣穴を構成する土のような役割をしています。
もぐったり、身を隠したりする床材や巣材が十分にないと、ハムスターは不安に感じてしまうでしょう。
床材や巣材は、ハムスターの体がすっぽり隠れるくらいたっぷり入れてあげましょう。
ストレスを感じた時にハムスターが見せる行動
ハムスターがストレスを感じていても、飼い主さんがそれに気づいてあげられなければ対処のしようがありませんよね。
ではハムスターはストレスを感じた時、どのような行動をするのでしょうか?
もし下記のような行動が見られたら、何かのストレスを感じている可能性があります。
当てはまる行動が無いか、ハムスターの様子を良く観察してみましょう。
頻繁に毛づくろいをする
ハムスターが体や顔の毛づくろいをしている姿はよく見られると思いますが、これは頻度が多ければ多いほどストレスを感じていると言われています。
毛づくろいは、心身を安定させるために行う場合もあるため、頻度が高いほど不安に感じていると言える訳です。
動きが鈍くなったり急に動かなくなる
これは何かにおびえた時にとる行動です。人間でも驚くとビクッとなって動けなくなってしまう事がありますね。
動きが鈍くなるときも、何かに警戒している状態と言えます。
ジージーと声を出して鳴く
ハムスターはあまり鳴くことがありませんが、驚いたり警戒しているときには、ジージー!と言った鳴き声を上げます。
これは強く警戒している状態で、その状態が長引けばかなりのストレスとなるでしょう。
飼い主の手や指を噛む
人慣れしていないハムスターや、お迎えしたばかりのハムスターなどは、触ってこようとする人の手や指を噛むことがあります。
自分の体よりも大きなものが急に近づいてくれば、ハムスターでなくとも驚いてしまいますよね。
恐怖を感じたハムスターは、それこそ噛む以外にどうしようもなくて噛んでしまうのです。
噛むという行為自体、強いストレスの現れです。
物やケージなどを噛む
ごはん前やおやつを与える前にケージを少しの時間噛むくらいなら、問題があるようには感じませんが、常にケージをかじる、物をかじっているというのであれば、ストレスの現れかもしれません。
餌が足りない、ケージの外に出たいという欲求からくる行動でもあります。
おしっこやウンチを瞬間的にもらす
びっくりし過ぎてちびる、漏らす、と言った状態ですね。
生理的な現象が起きてしまうほど驚いている訳ですから、瞬間的なストレスをとても強く受けている証拠です。
姿勢を低くして歩く
いつもよりもさらに姿勢を低く、お腹を隠すように行動しているときは、かなりの警戒状態とみられます。
ハムスターにとってお腹は弱点なので、お腹を守っているのです。
頬袋の食べ物をすべて出す
ハムスターは頬袋に食べ物を入れて巣に持ち帰りますが、身に危険を感じた時には、頬袋の食べ物をすべて出し、身軽になってから逃げようとします。
せっかく集めた食べ物を捨ててまで逃げようとするのですから、一刻も早くその場から離れたいという気持ちがわかります。
砂浴びを頻繁に行う
砂浴びは体をきれいにするという意味以外に、嫌な臭いを消したいときにもする行動です。
人間に触られた後などに砂浴びをする場合は、人間の匂いを消したいと思っているのかも知れません。
飼い主の臭いには徐々に慣れてくるかも知れませんが、砂浴びの頻度が増えたりするならば注意が必要です。
逃げる、隠れる
飼い主の姿を見つけると、逃げたり隠れたりしていないでしょうか?
これはまだ、飼い主を安心できる相手と思っていない場合に見られる行動です。
安心できない相手との共存は、かなりのストレスと感じていることでしょう。
急にコミュニケーションを取ろうとせず、ゆっくり仲良くなっていきましょう。
いろんな場所でおしっこをする
本来きれい好きなハムスターは、決まった場所におしっこをします。
しかしケージ内の色んなところにおしっこをしているようならば、ケージ内が自分の縄張りとして安心できないと感じている可能性があります。
脱毛、体調不良、病気になる
人間も強いストレスを感じ続けると、脱毛症が見られたり、体調を崩して病気になることもありますよね。
ハムスターも同じで、ストレスにより体に脱毛が起こったり、病気になることもあります。
病気の場合はストレスが原因とは言い切れませんが、飼育環境を見直してあげると良いでしょう。
過食行動
ハムスターは少し食べては止めて、を繰り返しながら食事をしますが、1回で食べる量や頻度が多い場合は、えさ不足の不安を感じているのかも知れません。
いつも食べられないから、ある時にたくさん食べておこう、という気持ちの表れです。
餌の与え方を考えてみる必要がありそうです。
気絶する、パニックを起こす
あまりにも驚いた時には、気絶してしまったり、錯乱状態に陥っていつもとは違う暴れ方をすることがあります。
そのままショック死してしまう事もあるため、驚かせないよう十分気を付けてあげましょう。
ハムスターのストレス発散に役立つ道具や方法!
全てのストレスの原因を見極めることはとても難しいことですが、前もって色々と準備してあげることでハムスターのストレスを解消してあげられるかもしれません。
狭いケージの中で一生を過ごすハムスター、少しでも楽しく、ストレスを感じない生活にするために、色々なグッズや方法をを試してみましょう。
市販のハムスターグッズには、ハムスターのストレスを発散するのに役立つものが色々と売られていますよ。
お勧めしたいのは、砂浴びセットやかじり木、回し車とは別のランナーボールなどです。
また、狭いところが好きなハムスターのために、トンネルや身を隠せるハウスなどを用意してあげるのも良いですね。
たまにはケージから出してあげて、広い室内を自由に走らせてあげるのも良いですよ。
まとめ
私たちにとってはなんてことのない事であっても、ハムスターにとってはストレスになり得ることがたくさんあります。
ハムスターはストレスを感じることで、体調を崩したり病気になることもあります。
極度の緊張状態に陥ると、ショック死することすらあるんです。
ハムスターの寿命は短く、長くても2~3年程度の付き合いになるでしょう。
できる限り健康で、元気に長生きして欲しいですよね。
そのためには、なるべくハムスターにストレスを与えない生活、というのもとても大事なんですよ。